天然ガスにして100年分という途方もないエネルギー資源が日本近海に眠る。海底に埋蔵するメタンハイドレート(MH)だ。この資源をめぐり、日中韓、台湾で開発競争が激化している。メタンの温室効果からかつて生物大量絶滅をもたらしたともされ、夢の資源か、破滅への引き金か、世界の注目が集まる。
「竹島(韓国名・独島)の周辺には天然ガス消費量30年分のMHが埋まっている。日本はこの資源を狙っている」。竹島領有をめぐり反日議論が噴出した韓国で今年、こんな意見が出された。
MHは、天然ガス成分のメタンが低温・高圧下でシャーベット状に閉じこめられたもので、「燃える氷」ともいわれ、主に海底に分布している。
日本は2001年、世界に先駆け、産官学共同開発機関「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」を立ち上げ、開発に着手。12日には、この資源が眠る海底74万平方キロを日本の大陸棚として国連に申請した。
大陸棚を含め日本近海には、天然ガス消費量100年分の7.35兆立方メートルが眠っているとみられ、商業化が成功すれば、エネルギー大国になる可能性を秘めている。
一方、メタンは二酸化炭素の20倍超の温室効果があり、5500万年前にはMHの溶解が海洋生物の大量絶滅をもたらしたともみられている。
欧米でベストセラーになり、日本でも出版された小説『深海のイール』では、MHが埋蔵する海底斜面の崩壊で人類が危機に瀕する様子が描かれ、MH爆破が新たなテロ手段になるとまことしやかにいわれた。
独立総合研究所の青山千春自然科学部長は「大量絶滅といっても海水面が極めて低かった氷河期から間氷期の話。自然界の話とフィクションがごちゃ混ぜにされている」。コンソーシアムでも「海底では固形で存在し、採掘で崩落が起きても天然ガスや石油のように噴出することはない」と危機説を否定する。
では、夢の資源と手放しで喜べるのか。日本はカナダとの共同開発で採掘技術を確立。10年後の実用化を目指しているが、「民間が参入して採算がとれるか微妙なところ」(コンソーシアム)という。
さらには、中国、韓国、台湾といった周辺諸国の参戦がある。それぞれ国家プロジェクトとして巨費を投じて日本を猛追。韓国は7年後の商業化を宣言している。
青山氏は「日本が自前の資源を持つ意味は大きい。いまは技術的にリードしていてもノロノロしていては東シナ海ガス田開発の二の舞いになりかねない」と警告している。
抜粋 ZAKZAK
・コメント
石油資源に換わるエネルギー源として期待されるメタンハイドレートです。これを燃やしてできるメタンは、二酸化炭素の20倍もの温室効果があるとされていますが、メタンは大気中で12年程度で分解されます。
現在燃料として使用されている、石油や天然ガスよりはるかにCO2の排出量は少ない。ためこの自然分解のペースを人工的に早める技術が開発されれば自然循環エネルギーとして活用できます。
エネルギー資源として、どれほどの効率が出せるかが問題で、メタンの分解するための技術は、現在地球上に噴出しているものに転用が可能です。
メタンハイドレートが利用できれば、日本も大量のエネルギーを自国で生産できます。しかし、それは環境基準を乗り越えた上でなおかつコスト低減するといった課題があります。
しかし、この技術は日本がトップクラスということは間違いありません。他国で採掘が開始され、処理されないままの大量のメタンが排出されることだけは避けねばなりません。
隣国同士は資源で喧嘩するのではなくEEZや技術提供、資金提供有無などにより上手に政治的に分けて、最新の技術で採掘することがみなの幸せにつながることは間違いありません。
参考 メタンハイドレート WIKI
メタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている固体結晶である。 低温かつ高圧の条件下で、水分子は立体の網状構造を作り、内部の隙間にメタン分子が入り込み氷状の結晶になっている。
地球上では、シベリアなどの永久凍土の地下数100m - 1000mの堆積物中や海底でこの条件が満たされ、メタンハイドレートが存在できる。実際にはほとんどが海底に存在し、地上の永久凍土などにはそれほど多くない。またメタンハイドレートを含有できる深海堆積物(地層)は海底直下では低温だが、地中深くなるにつれて地温が高くなるため、海底付近でしかメタンハイドレートは存在できない。また、圧力と温度の関係から同じ地温を成す大陸斜面であれば、深くなるほどメタンハイドレートの含有層は厚くなる。これらの場所では、大量の有機物を含んだ堆積物が低温・高圧の状態におかれ結晶化している。
地表の条件では、分解して吸熱反応を起こす。この時生成される水は氷の薄膜を形成するため、メタンハイドレートは常圧下-20℃程度でも長く倉庫に保存できる自己保存性を持つ。
見た目は氷に似ているが、火をつけると燃えるために「燃える氷」と言われることもある。1立方メートルのメタンハイドレートを1気圧の状態で解凍すると164立方メートルのメタンガスに変わる。このメタンはメタンハイドレートの体積の20%に過ぎず、他の80%は水である。石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギーであるとされる。
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