遊休農地を滞在型観光や地域振興の拠点に活用する全国初の産学官プロジェクトが動き出す。場所は風光明媚(めいび)な海辺が広がる熊本県天草市。都会と田舎の両方に住まいを確保し、それぞれの生活を楽しむ観光スタイルと地元への移住推進を狙う。まず12月4日に“お試し滞在”ができる宿舎など一部施設が先行オープンする予定で、来年2月から都市住民向けに自給自足生活も想定した本格的な菜園付きコテージ(別荘風の小住宅)の貸し出し募集を始める。
田舎暮らしに関心が高い定年後の団塊世代ら中高年層が主なターゲット。今回の“天草モデル”が軌道に乗れば、全国展開により、農山漁村活性化への起爆剤としても大きな効果が期待できそうだ。
プロジェクトは、眼下に海を望む同市中部の金焼(かねやき)地区にある主にミカン畑だった丘陵地約7000平方メートルで行われる。前熊本大学教授で現在は北海道大学観光学高等研究センターの佐藤誠教授が基本計画をまとめ、施設の建設費4000万円は国と市が全額補助する。荒れ果てた畑を菜園によみがえらせる整地作業は、農業機械メーカー最大手のクボタが全国的に取り組んでいる農業活性化のための「耕作放棄地再生支援」の一環として参画している。
産学の関係者で設立したNPO法人(特定非営利活動法人)「グリーンライフあまくさ」が市を通じて敷地を借り受け、施設整備と運営を手がける。
先行オープンする木造2階建ての交流拠点施設(延べ床面積約96平方メートル)には、8〜10畳分の広さのツインルーム2部屋と共用の浴室やトイレなどを整え、1泊から2週間程度の“お試し滞在”が可能だ。予約受付はオープンしてから開始。料金は1泊2000〜3000円の見通しだ。隣接地には地元農協の倉庫を改造した「薬膳レストラン」(同80平方メートル、36席)の同時開業も予定している。
菜園付きコテージ(同35平方メートル)は計5棟を整備。いずれも木造1階建てのログハウス風で、2人分の滞在を想定した1LDK相当の広さ。賃料は月額3万〜5万円の見通し。各棟には約1000平方メートルの菜園が割り当てられ、農作物の栽培・収穫に取り組んでもらう。このため、契約期間も1年単位で、毎月最低2回は1泊以上滞在することが利用条件となる。天草市農業振興課の渡辺一矢参事は「補助金によるモデル事業なので料金は手ごろで、なるべく多くの方に天草の豊かな自然を体験してもらい、移住の促進と農地の保全に生かしたい」と期待する。
都市と地方を往来する生活スタイルは「二地域居住」や「セカンドホームツーリズム」と呼ばれ、バカンス(長期休暇)を楽しむ習慣が定着した欧州を中心に世代を問わず広く普及し、関連ビジネスも盛んだ。しかし、日本は資金と時間に比較的余裕のあるリタイア層の需要の顕在化がまだ緒に就いたばかり。
佐藤教授は「今回のモデルが定着すれば、コテージをモデルハウスに1棟500万円程度で移住者に販売するなど新たな事業や地域の雇用創出にもつながる」とし、同NPO法人の理事らの出資で事業会社も年内に設立する計画。天草の場合、交通の便などを考慮すると、熊本や福岡など北部九州の都市圏からの利用が中心となりそうだが、「今後は巨大市場の首都圏や関西圏の都市住民が田園移住を実践できる場も早期に提供したい」と意気込んでいる。
抜粋 フジサンケイビジネスアイ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000003-fsi-bus_all
・コメント
定年後やいつかは農業をやりたいといった人に朗報です。お試しができるということで、移住後に『こんなはずではなかった』というミスマッチを防止するためにこのような取り組みは必要でした。
本来なら市役所や役場などの公的機関が実施すべきことだと思いますが、こういった専門的な民間の力を借りて実施したほうが効率、コストともに安くあがるということが証明されました。
こういった民間に、がんばってもらえばもらうほど地方に税金が落ちることになりますのでよりよい田舎暮らしの環境整備できるとおもいます。まさにWIN−WINの関係ですね。がんばって欲しいです。
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