京都議定書で日本が約束した温室効果ガスの削減義務を守るために、政府や産業界が海外から購入する排出権の総量が3日、明らかになった。二酸化炭素換算で少なくとも約3億5000万トン、現在の国際価格では約7000億円に上る。国内の排出量は増加傾向にあり、削減が進まなければコストがさらにかさむ可能性もある。
環境省と経済産業省の合同審議会で同日報告された。3億5000万トンの内訳は電気事業連合会が1億9000万トン、日本鉄鋼連盟が5900万トン、政府も約1億トンを税金で購入する。ほかに約10業種が購入を検討している。
京都議定書によると、日本は約束期間(08〜12年度)の各年度の排出量を、90年度より6%減らす義務がある。産業界は業界ごとに自主的な目標を決めているが、達成できない場合、海外での温暖化対策による排出削減分を国内で削減したとみなせる「排出権」の購入で埋め合わせる。排出権の国際価格は一時、1トン3000円を超えていたが、金融危機の影響で現在は同2000円前後。
07年度の国内の排出量は、柏崎刈羽原発停止の影響などで目標を14.7%上回った(速報値)。電事連は昨年決めた購入予定量を今回、約7000万トン上方修正しており、購入量は今後膨らむ可能性がある。景気が回復すれば、排出権価格の上昇によってもコスト増加が予想される。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081204-00000009-mai-soci
・コメント
排出量取引は、温室効果ガスを排出する権利を企業同士、国同士で売買することで、全体の排出量を減らしていく仕組みです。
ある国の排出量が議定書に基づいて割り当てられた排出枠より少なければ、その余裕分が排出権になり、これを、割り当て以上に排出してしまった国が買って目標達成のために使うことを、京都議定書で認めてます。
今回この仕組みを利用して、関連企業や税金で排出枠を購入しました。日本では排出枠の設定は任意です。企業にゆだねると確実に削減できる量に設定し、それ以上の努力を怠るおそれがあり需要が発生せず、取引が不活発になってしまいますし、未達成分を税金で補うことになります。排出した人が対価を支払うといった意味ではちょっと疑問が残ります。
国についても同様です。世界で第1,2位の米国や中国を巻き込む必要は大いにあると思います。幸いオバマ氏が積極的なため、中国一国が反対することは社会が許さないと思います。
消費者についても同様です。排出防止に積極的な人とそうでない人に差ができないのでは、不公平です。何らかの方法で優遇、もしくは冷遇すべきです。
環境負荷を低減して、省エネルギーな社会を作っていくことは現役世代の務めだと思います。子供達にツケを回してはいけません。
参考 排出量取引 WIKI
各国家や各企業ごとに温室効果ガスの排出枠(キャップ)を定め、排出枠が余った国や企業と、排出枠を超えて排出してしまった国や企業との間で取引(トレード)する制度である。「排出権取引」、「排出枠取引」、「排出許可証取引」、「排出証取引」。京都議定書の第17条に規定されており、温室効果ガスの削減を補完する京都メカニズム(柔軟性措置)の1つ。
排出量取引の方式は主に2種類ある。キャップアンドトレード(Cap & Trade)と、ベースラインアンドクレジット(Baseline & Credit)であるが、多くの排出量取引で前者が用いられている。そのため、「キャップアンドトレード」というように方式の名前で呼ぶことも多い。
排出量取引制度が導入された背景には、温室効果ガスの排出量を一定量削減するための費用が、国や産業種別によって違いがあることが挙げられる。例えば、未発達の技術を用いて経済活動をしている開発途上国では、すでに先進国で使われている技術を導入すれば温室効果ガスを削減できるので比較的小さい費用で済む。一方で、これまでに環境負荷を低減するために努力してきた先進国では、さらに温室効果ガスを削減するためには新しい技術やシステムを実用化する必要があり、多大な投資や労力が必要となる。
排出量取引の制度を導入すると、削減しやすい国や企業は炭素クレジットを売ることで利益を得られるので、削減に対するインセンティブが生まれ、より努力して削減しようとする。このように市場原理を生かして環境負荷を低減する手法を経済的手法という。これによって、社会全体としての削減費用が最も少ない形で温室効果ガスを削減することができると期待されている。
ただしその一方で、先進国がより少ない投資や労力で済む排出量取引を積極的に利用してしまうと、温室効果ガスを削減するための新たな技術やシステムの開発の必要性が薄れ、技術やシステムが広く普及してしまえば削減が難しくなり、結果的に温室効果ガスの削減が停滞することも考えられる。
また、もともと排出枠に余裕がある国・企業や、経済が後退している国・企業の余剰排出枠(=持て余している排出枠、ホットエア)を買い取って現在以上に排出することにより、本来減少するはずの地球全体の排出量が逆に増える可能性もある。そのため、単なる数字合わせのためだけの排出量取引に頼ることは問題であり、削減努力を阻害しないように、それぞれの国や企業に対して排出量取引量の上限値が定められることとなっている。
排出量取引の有効性を左右する最も重要な要素は排出枠の設定である。排出枠を緩く設定した場合、その国は少ない労力と費用で排出量を排出枠以下に減らした上に、削減した排出量を他国に売却することによりさらに利益を得ることになる。また、排出枠の買い手より売り手の方が多くなると市場原理に従って排出量の市場価格が下がるため、削減努力をしない方が得になってしまうことにもなる。一方で排出枠を厳しく設定した場合、多くの労力と費用で排出量を減らさなければいけない上に、排出量が排出枠を上回った場合にはさらに排出量を購入する費用がかかってしまう。これは国内排出量取引制度における企業や団体も同じである。
このように、排出枠の設定の度合い次第で労力や費用に大きな差があるため、国家間、団体・企業間で排出枠設定の厳しさに差があればあるほど不公平が増す。排出枠を緩く設定させるために政治的・経済的な圧力がかかる可能性や、排出枠を少しでも緩く設定しようとする国家(企業・団体)によって排出枠の設定やそれに関連した議論が停滞する恐れもあり、公平な排出枠の設定が求められている。前年度の排出量を基準に排出枠を設定すると、これまで排出量削減に取り組んできた企業の努力によって、損をさせる恐れがある。ただ、将来の経済成長の不確実性をなくすことはできないことなどから、ある程度の不公平は免れないという指摘もなされている。
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企業間で二酸化炭素(CO 2)排出枠を売買する国内排出量取引制度に、東京電力 <9501> が参加を申請したことを明らかにした。同制度は10月から募集を開始。東電が参加第一号となる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081203-00000165-jij-biz
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